道を歩けない!?ジャカルタの治安
こちらに来る前に、ジャカルタは道を歩くこともできない危ないところだ、と言われて来ました。実際どうなんでしょう。
歩けない街と言われる3つの理由
治安について
やっぱりあんまり良くはないです。つい先日も大使館からメールで注意喚起が来ていて、市内中心部の歩道橋でひったくりがあり、日本人が被害にあった、と書かれていました。道端にはホームレスのようなオジサンがすごい目つきでウロウロしていたりもします。何をされたわけでもないですが、なんとなく怖いです。でも10年、20年前の本当に危険な街だった頃(と聞きました)とは、大きく変わっているのだと思います。
でも、ショッピングモールの中は普通に歩いています。そんなに安全なのか?と言われたら、そうとも言い切れません。入り口には空港のような荷物検査と安全検査がありますが、係員は見たふりをしているだけで、画面から目を逸らしておしゃべりしていたりします。機関銃なら気づくでしょうか、小さい武器ならきっと気づかない恐れもあります。
市内中心部では、デモは時々行われているようです。ちょっとした騒ぎになることも多々あり。大使館からは事前情報をメールで送ってもらえるので、そのエリアに近づかなければ危険は回避できます。
5月以来、テロは起きていません。いつ起きるか、どこで起きるのか、全くわかりません。5月のテロは日本人駐在員が滅多に行かない場所でした。いつどこで起きてもおかしくないと思う反面、巻き込まれる確率は宝くじや飛行機事故に遭うぐらいなのではないかと思ってしまったりします。
道路について
道路や歩道の整備が悪く、また歩くことを前提に作られていないというのも歩けない大きな原因の一つだと思います。2018年のアジア大会に向けて、街の中心部は歩道の整備を頑張り始めているようです。中心部のビル街はきれいな歩道がある所もありますが、その他のエリアになると、歩道がなかったり、あってもブロックが凸凹していて、到底歩ける道ではありません。歩いている人もあまり見かけません。世界一運動不足な国と言われる所以はここにありだと思います。ちょっとそこまで、と短距離なら歩いてしまう事もありますが、そんな機会は多くありません。
貧富の差について
この国自体、貧富の差がとても大きいです。ただ、不思議なのは貧乏な人からお金持ちまで、住むエリアの区分けがきっちりとありません。富裕層向けのお店と庶民向けのお店は街中にゴチャゴチャに建ち並んでいます。日本人御用達のお店も、そこここに点在していて、家⇆お店、お店→お店、歩ける距離に存在していることはほぼありません。そうすると自ずと移動が車以外、考えられなくなってしまいます。
以上の理由が複合的に混ざり合って、「歩くところじゃないな」というわけで歩けない街なのです。実際に来てみるまで、「歩けない」のイメージが湧かずにいましたが、来てみたら、なるほどなーという感じです。
どうにも避けられない危険が降りかかる、という事はありますが、回避できる危険もあると思います。怪しいなと思った人や物には近づかない、今までテロの標的になったような場所(空港のロビー、ホテルのロビー、人が多く集まるところ)に長時間滞在しない、大使館からの連絡をちゃんと読んで、危ない場所には行かない、暗い場所やひとけのない場所には行かない、外国人というだけで目立っているという意識を持つなど、気をつけて暮らすだけでも危険度は大きく下がるように思います。